薬について

  
 
 この断酒方法は薬を使いません。薬は服用しないでください。
 
自分の意志で断酒しなければ、飲みたくなったとき、コントロールできません。アルコールの欲求は、薬を飲んでも消えません。欲求ではなく思い出なのです。思い出を忘れることはできません。
欲しいのはお酒の味です。私のカウンセリングでは、苦しみを思い出し、毒だと思い出し、最後にやめられた気持ち、喜びを思い出すのです。
 
 
まずは、抗酒薬(シアナマイド、ノックピン)お酒を不味くする薬。 お酒が不味くて呑めなくなるなら薬を飲みません。  欲求を弱くする薬(レグテクト) お酒が呑みたくなる度に薬が必要になり、薬を一生飲み続けなければなりません。 薬の切れ目が断酒の切れ目となってしまいます。 どっちにしろ、お酒の欲求は一生消えません。
 
一生薬を飲む気でしょうか?   薬でごまかすのではなく、いつでもお酒が呑める状況で、自分の意志で欲求をコントロールしなければ永遠にやめられません。欲求が起きたらすぐに消えるように訓練します。やめた喜びを大きくしていくことが断酒のイメージです。

 

3ヵ月かけて訓練して、欲求が起こったとき、すぐに無くなるように3ヵ月かけて訓練して行きます。訓練と言っても最後のカウンセリングで、飲酒がいかに愚かなことか理解するだけです。
毒だとわかっていれば飲みたくても飲むことはできないものです。 きっぱりと断ることができます。お酒をコップに注がれても飲むことはありません。
 
 
薬を飲むということは、無理やり牢屋に閉じ込められたようなものです。 入院と同じで出所した瞬間に呑みたくなります。 薬を飲むこと自体考え方が間違っています。それは最初からアルコール依存症の患者さんのことを全く信用していないと言っているようなものです。
 
 
患者は小学生ではありません。1週間で強い欲求はなくなるので、それ以降は薬の効果はなくなります。 薬を飲んでも、薬を飲まなくなった瞬間、お酒の欲求は、前より増して来てしまいます。
薬を飲んではいけません。返って欲求を強めてしまうのです。
 
 
薬を飲まないとやめられないとか。と逆に落ち込んでしまいます。患者は小学生ではありません。その日その日の喜びを積み上げて行けば、飲んでしまうことはありません。薬を飲んでも、薬を頼らないのが、私の断酒方法です。時間をかけて、訓練して、欲求をブロックしていきます。断酒は薬ではなく、考え方です。
 
  

   アルコールについて

 
 
ヨーグルト、チーズ、納豆など発酵すると栄養価の高い食品に変わりますが、米、麦、果実などが発酵すると毒に変わってしまいます。頭の神経が麻痺して、有毒物質が体に残ってしまいます。
 
同じ発酵食品でも、中身が違えば、結果は違います。100年前のお酒なら弱いので、いくら飲んでも死ぬことはありませんが、今は保管できるため、そのまま強い毒性が残ったままです。アルコールに依存してしまう理由は、気分が良くなり、ドーパミンが活発に分泌されて行き、アルコールがないと苦しくなって、呑む量が増えていき、やめられなくなってしまいます。
 
 
アルコールに弱い人は、次の日まで残ってしまうのでセーブできるのです。もちろん飲み続ければ耐性が付き同じように依存してしまいます。お酒が呑める人は誰もが依存症と考えた方が分かりやすいでしょう。毎日呑んでいるか、我慢しているのです。
 
 
毎日呑んでいる人はいきなり飲まなくなると眠れなくなるので呑んでしまうのです。毎日呑まない人は、アルコールの依存度が低く、バカらしくて飲まないのです。損するだけ。呑んでいないから、呑まないだけです。
  
    
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