2019/4/19
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増えている軽度なアルコール依存症 |
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多様化する依存症を考えるとき、症状や治療の基本となるのがアルコール依存症です。症状や回復のプロセス、家族の対応法などを知っておくと、ほかの依存症を理解する場合にも参考となり適切な判断ができることでしょう。 昔も酒浸りの人がたくさんいたと思われますが、あまり表面化することはありませんでした。 アルコール依存症が社会問題化するのは、戦後のことです。高度経済成長とともにアルコール消費量が増え、アルコール依存症になる人も増加しました。 ここ20年ほどで生活スタイルも娯楽も酒の飲み方も多様化し、重症の人が減少し全体的に軽症化しています。連続飲酒発作や社会的問題行動もあまり目立たない静かな依存症の人が、増加しているのです。 最近の特徴としてアルコール依存症の複雑化が見られ、アルコール依存症ばかりではなく躁うつ病、統合失調症、人格障害、認知症などの病気を併せ持っていたり借金、家族関係のトラブル、失職、孤独など様々な問題を抱えているケースが多くなっています。 アルコール依存症の人は親に飲酒者が多いことが、指摘されています。親の姿を見ながら成長することで、飲酒への抵抗がなくなったり体質が似ていることも考えられ、逆に親の泥酔した姿が反面教師となり自分は禁酒しているという人もいます。現在は外来治療や複層的なケアが行われるようになっていて、断酒会などの自助グループも各地で活動しています。 |
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