2019/4/25

アルコール依存症になることが恥ずかしい?

 
 

アルコール依存症は否認の病気であり、本人はそうであることを認めようとしません。
アルコール依存症であることで仕事や家族までも失うような事態に陥ってもお酒を飲み続けてしまいます。
 
時に家族である配偶者がイネイブラーになってしまうことも多く、その治療は決して易しいものではありません。実際に私の夫がアルコール依存症だった時も、どれだけ「お酒をやめてほしい」と訴えた所で「アルコール依存症ではないからすぐに止められる」と口だけで一向に止めなかったことが思いだされます。
 

アルコール依存症の患者は周囲へのポーズとして断酒や禁酒を口にし、実行する素振りを見せることがあります。本人は確かに「今度こそ」と強い気持ちを持って始めるのですが、それが達成されることはありません。仕事のストレスや眠れないからなどの理由を作って何とかお酒を飲もうとします。
 
 
そして我慢が出来ずに飲んでしまうのです。
そんなことを繰り返しているうちに、自分の健康状態はどんどん悪くなり周囲の人との摩擦も生まれてきます。アルコール依存症は決して本人や家族だけで治せる病気ではありません。専門の病院で治療を行い、本人がそうであると認める所から第一歩が始まります。
 
人はアルコールに勝てるほど意志は強くありません。大量のアルコールを毎日飲んでいれば最強のドラッグに変わります。自分の意志だけではとめることは難しいでしょう。問題を先送りにすれば益々断酒の道は遠ざかります。
 
アルコールに依存してしまうのは、誰でもその可能性があるのです。飲みたいから飲んでいるのではなく、苦しみから飲んでしまうのです。あなた自身の問題ではありません。病気だと認識することが大事です。
 
病気はなりたくてなっているのではありません。風邪をひくのと全く同じ。全く恥ずかしくないのです。それとは逆にお酒を一滴も飲まなければだれからも尊敬される人になれるのです。
 
断酒に失敗してしまうことは恥ずかしくありません。諦めて飲み続けることこそ最も恥ずかしい行為なのです。