2019/4/26

アルコール依存症は飲酒量の問題ではない

 
 
 
アルコール依存症になって行く過程は、毎日飲み続け、次第に飲む量が増えて行き、夕方頃になると飲みたくなってしまいます。家族に隠れて飲んだり、仕事に集中できなくなり、飲んだ時しか平常心や集中力がなくなり、アルコールが手放せない状況に陥っていくのです。
 
さらに進めばアルコールが体内から抜け出ることが苦しくなり、朝から飲んでしまい連続飲酒となってしまいます。アルコールを飲むほど思考能力が衰え、欲求を我慢するための物質も脳から排出されず、苦しみだけが伝わり、一人では欲求をコントロールできなくなってしまう病気です。
 
アルコール依存症を克服するためには、自分自身のアルコールについての考え方を改め直し、失敗した経験を活かしながら、断酒をしている時間を引き延ばしていきます。カウンセリングが終わるまえや、終わったあとに簡単なきっかけでまた連続飲酒になってしまうことがあり、自己嫌悪になりうつ病を発症することもあります。
 
アルコールが原因で追い詰められて、自殺することもあるので注意が必要です。
 
飲酒の問題で離婚して好きなだけ飲んでいてアルコール依存症になってしまう人もいます。アルコール依存症と診断されてから入院するころには肝硬変に近いところまで肝臓の機能が悪化してしまう人もいます。ここまで来なければ相談して来ないというのがアルコールという薬物です。
 
やめようと思っていてもやめられず、それが嫌になり、意志が弱いと勘違いされ、プライドが傷つき、相談するのも嫌になるのです。
 
アルコールにより、仕事も人間関係も上手くいかず、強いストレスを感じ、益々アルコールが抑えられなくなり、朝から晩まで飲み続け、病気と診断される前に亡くなる人もいます。つまり、アルコールが原因で全て上手くいかず、そのストレスを解消するためにアルコールに手を出してしまうのです。
 
アルコール依存症は、早期の発見、早期の治療を行わなければ、病気になり、自殺も図る人が出てくる病気なのです。
 
アルコールの量は関係ありません。アルコール依存症と診断されなくてもやめられなければまったく同じ病気です。苦しく感じてアルコール依存症と診断されてからでは、回復に時間が掛かります。回復できなくなる可能性もあるのです。
 
量に関係なくやめられないときは、命に関わる問題ですぐに相談しなければなりません。