アルコール依存症の家族の対応

アルコール依存症は、本人だけでなく家族も巻き込む病気です。たとえば親子や配偶者がアルコールに問題を抱えている場合、家族としては自分の接し方が間違っていたのかもしれないと思ってしまいがちですが、決してそうではありません。

アルコール依存症とは脳の機能の病気であり、本人や家族が何をしてもコントロールできるものではないのです。ご家族がアルコール依存症で苦しまれている方は、あなたが原因ではないことを知ることから始めましょう。

 ただ、アルコール依存症からの回復を目指すに当たって、家族の対応によっては本人の問題をますますこじらせることはあります。依存症になったのは家族の対応が原因ではありませんが、家族の対応が本人の依存症を強める契機になることはあるのです。

ですので、アルコール依存症患者にはどんな対応が適切でどんな対応がダメなのか、きちんと勉強することがとても大切になります。専門の医療機関、精神保健福祉センター、NPO法人、民間の支援団体、また当方のカウンセリングなど、アルコール問題の相談を受け付けているところはたくさんありますので、一度相談を受けてみましょう。

「本人が相談しないと意味がないのでは?」と思う人が多いですが、本人不在で家族だけの相談でも十分に意味はあります。依存症は否認の病気と言われるぐらいですので、本人に相談を促しても拒否されることが多いです。

まずは家族だけでも依存症という病気についてしっかり学んで、どうすればお酒をやめることができるのか正しい知識を身に付けてください。

また、本人だけでなく家族も支援を受けないと共倒れになってしまいます。一刻も早く本人に禁酒・断酒させたい気持ちは当然ですが、本人が拒否する場合は家族だけでもまずは一歩踏み出しましょう。