アルコール依存症を理解すること

アルコールをやめたいと思っても、一人ではやめることがほぼ不可能なのが依存症という病気です。ですので、一人で禁酒を決意するよりも、まずはカウンセリングなどを受けるなどして専門機関の力を借りるようにしましょう。

アルコール依存症に対する理解が進むほど、なぜ禁酒ではなく断酒が必要なのかがわかります。断酒を続けることは簡単ではないですが、断酒のその先にはさまざまな良い変化が感じられることは確実です。その変化を感じられる喜びを糧に、家族や仲間とともに一日一日断酒を続けていきましょう。

断酒を始めてすぐに感じられる変化が体調の改善です。症状が進行している人は断酒開始から数日は離脱症状に苦しめられますが、それを過ぎると確実に体調が良くなったと感じられます。

まず、朝起きた時の嫌な気分から解放されます。体も軽く感じられるでしょう。飲んでいる間は毎日嘔吐していた人でも、飲まなくなれば嘔吐もなくなります。それだけでもメリットが実感できるはずです。

1カ月も飲まずにいると、肉体的にも精神的にも調子が良くなり、飲んでいたころとは別人のような気分になるでしょう。

実はこのように調子が良くなってきたと感じるころがスリップの危険が最も高い時期です。「体調が良くなったからもう大丈夫だろう」という油断の心からふたたび酒に手を出す人が後を絶ちません。

「もう二度とあんな苦しい思いはごめんだ」と決意して断酒したはずなのに、時間が経つとそんな思いも薄れてしまうのが我々の愚かしい部分なのです。

ですので、少し軌道に乗ったからと思って「一人で断酒を続けられる」と自分を過信しないでください。カウンセリング、自助グループ、断酒例会など、アルコール依存症に理解のある人たちとのつながりをなくさないことが大切です。

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