2019/5/16

アルコールを依存症患者数

 

 

アルコール依存症患者は現在109万人いると言われています。しかし、この数字は実際に医療機関で治療を受けている人の数であって、潜在的な人数は計り知れません。依存症予備軍を含めると、我が国だけで500万人や1000万人が危険な状態にあると言えます。毎年、アルコールが原因で命を落とす人の数も少なくありません。

 

これだけ危険なアルコールなのに、不思議と日本ではお酒に甘い風潮ができあがっています。タバコに関してはあれだけ厳しい声が上がっているのに、いまだにお酒のCMはガンガン流れていますし、スーパー、コンビニ、自動販売機で自由にお酒が買える状況です。世間の大半が、アルコール依存症に対して正しい認識を持っていないのは明らかでしょう。

 

「酒は百薬の長」ということわざがあるように、適量であればアルコールは体に良いと信じられています。しかし、最近の研究では少量でもアルコールは心身に害のあるものだということがわかっています。また、「お酒は適量を楽しんで飲みましょう」などと言われますが、その適量がやっかいです。厚生労働省では1日20gまでのアルコールを適量としていますが、これは日本酒に換算すると1合にしかなりません。アルコールで悩んでいる人がこの量で抑えられるはずがないのです。

 

また、たとえ日本酒1合程度に抑えていたとしても、毎日飲み続ければ確実に精神的な依存が形成されます。離脱症状は出なくても、お酒を飲まないと物足りないように感じられたら依存症一歩手前です。そこから大量飲酒、連続飲酒につながるのも時間の問題でしょう。

 

このように見てくると、すでにアルコールに問題を抱えている人が、適量を楽しく飲めるようになると考えるのは不可能なことがおわかりでしょう。健康で充実した生活を手に入れるには禁酒・断酒しかないのです。そのための第一歩としてぜひカウンセリングを活用してください。