2019/6/6

自力での節酒や禁酒は不可能、専門機関の力を借りて断酒するしかない

 
 
 
 
アルコール依存症に特有の症状を離脱症状と言います。アルコールが切れた時に、手が震える、不安感やイライラが高まる、眠れなくなる、そのほか、吐き気、下痢、悪寒、寝汗などといった症状です。
 
これら不快な症状はアルコールを飲むことで一時的に治まるため、依存症患者は常に飲まずにはいられなくなってしまいます。さらに症状が進むと幻覚、幻聴、記憶障害なども表れ、日常生活を送るのにも支障をきたすようになってしまいます。

こうした症状が起こるのは、人間の脳が簡単にアルコールの影響を受けてしまうためです。「酔う」というのがアルコールの脳への影響ですが、その影響は短時間でなくなります。
 
しかし、毎日アルコールを飲んでいると、その酔った状態を通常状態と脳が判断するため、体内からアルコールが切れた時に対応できなくなってしまうのです。それが、上記の離脱症状として表れるという仕組みになっています。つまり、不快な症状をなくすためにお酒を飲んでいる人は、すでにアルコール依存症と言えるでしょう。

 
 
厚生労働省などが健康のための飲酒の適量を掲げています。また、成人男性が日本酒で3合、ビールで1500mlを1日平均飲み続けると、10~20年ほどでアルコール依存症になる可能性が高いとされています。
 
とはいえ、アルコールで悩んでいる人が飲酒量を把握して、自分で抑制することなど不可能です。家族に飲みすぎと言われても、飲んだ時の記憶をなくすことが増えても、また、体調が悪くても、それでも飲んでしまうから悩んでいるわけです。
 
こうなっては自分で節酒や禁酒しようと思ってもうまくいきません。かえって前より飲んでしまうことになってしまいます。アルコール依存症は自力で克服できるものではないので、専門機関などでカウンセリングを受けるなどして、断酒していくしかありません。