2019/6/6

アルコール依存症は周囲の理解が得られにくい

 
 
 
 
アルコール依存症は周囲の理解が得られにくいため、それだけでも厄介な病気です。本人もなかなか認めようとはしないので、いざ治療となった時にはかなり症状が進んでいることがあります。
 
 
それだけでも怖いですが、アルコールを長期間に渡って多量に摂取することで、体内のあらゆる臓器にダメージが蓄積されていることも怖いところです。

 
アルコール依存症でよく見られる臓器障害に肝機能障害があります。依存症患者のほとんどはアルコール性脂肪肝と言えるでしょう。場合によってはアルコール性肝炎という致死率の高い状態になっていることもあります。
 
また、肝臓だけでなく膵臓もアルコールのダメージを受けやすく、アルコール性膵炎になっている人も多いです。さらに、膵炎が慢性化して糖尿病まで併発する例もあります。

 
 
さらには、アルコールが原因による口腔がんや食道がんなど各種がんの発症率も高まりますし、アルコールによって脳の神経細胞が破壊され、記憶障害や脳萎縮などを起こす場合もあります。脳が萎縮してしまうと回復はほとんど見込めなくなります。

このように、身体面から見るだけでもアルコールにはさまざまな危険があることがわかります。「お酒は好きだが依存症ではない」と言う人も、病気予防のために定期的な検査が大切ですし、そもそも否認しているだけですでに依存症になっている可能性が高いので、専門の医療機関に相談した方がよいでしょう。
 
 
アルコールが原因によるトラブルが増えたと感じたら要注意です。二日酔いが原因で無断欠勤したとか、飲んだ時の記憶がないなどということが増えている場合は、すでに飲酒量が自分でコントロールできなくなりつつあります。手遅れになる前に一度カウンセリングを受けてください。早期の禁酒・断酒こそが心身の健康に欠かせません。