2020/1/11

女性のアルコールへの影響

 

  女性のアルコール依存症患者

 
 
女性がアルコール依存症になる患者数は年々増えていて、この20年では2倍以上に増加しています。
 
女性は男性よりも体重が少ないので、その結果、男性の飲酒者よりも早く二日酔いになり、アルコール依存症を発症する傾向があります。
 
 
アルコール依存症は本人の自覚がないまま、お酒をやめたいと思っていても日常的に飲酒を繰り返す内に進行していきます。すると、常にお酒がないと不安になり、お酒なしの生活が出来なくなってしまう、進行性の病気です。

 

楽しみだったはずのお酒が、いつの間にか飲まないとイライラしてしまい、お酒をやめようと思ってもどうしても飲酒がやめられず、飲酒する量も増えていってしまいます。
 
そして酔いが醒めた時にはイライラしたり、不安が募ったり、汗をかいたり手が震えるといった離脱症状も出てきます。

 
アルコール依存症を発症すると、お酒を控えたいという気持ちがあっても、一度口にしてしまうと飲む分量のコントロールが出来なくなり、人間関係にも経済的にも次々とトラブルが起きやすくなります。

 

 

  妊娠中の飲酒

 

 また、妊娠中や授乳中の飲酒は赤ちゃんに影響を及ぼす恐れがあるため、禁酒する必要があります。
 
妊娠中の女性がアルコールを飲むと、アルコールは胎盤を通して赤ちゃんに届きます。
 
赤ちゃんはアルコールをうまく処理できません。したがって、赤ちゃんのアルコールは、体内に長くとどまります。これは、次のような深刻な問題を引き起こすリスクがあるとが報告されています。
  • 低出生体重。
  • 学習、行動および思考(認知)の問題。
  • 心臓やその他の臓器の欠陥。
  • 異常な顔の特徴。

これらの問題が深刻な場合、その状態は胎児アルコール症候群と呼ばれます。

しかし、妊娠中に少量のアルコールを飲んでも安全かどうかについては長年にわたって議論がありました。

 
 
どうしても飲みたい気持ちが抑えられない時はノンアルコールにしましょう。但し、ノンアルコールの中でも、微量のアルコールが入っているものあるため、表示をきちんと確認してから飲むようにしましょう。
 
アルコール依存症の治療を行う際は、早い段階でアルコール依存症であることを認識し、一人で悩まずに家族や周りの協力を得ながら問題を解決していくことが必要となります。相談できる相手を作ることも大切です。
 
 
 

 女性は精神面など生活環境に影響を受けやすい

 
 
 
 女性の場合は男性よりも、結婚や育児といった生活環境が変わることでの負担が大きく、その分ストレスを抱えることも多くなります。
 
そして、そのストレスから解放されるために飲酒をしてしまい、日を追うごとにその量や頻度が高くなっていくケースがあります。
 
本人が抱えているストレスや、飲酒の行為がやめられないことは夫や周りから理解されないことが多く、より一層孤立や孤独感を感じてしまうのも特徴的です。

お酒をやめたいと感じた際に、飲酒の依存を治療していきますが、治療中でも家事や育児を両立する必要があり、周囲のサポートは男性よりも困難になります。
 
 
 
 
 
時代の移り変わりとともに、女性や若年層のアルコール依存症は増加傾向にあります。アルコール依存症を患っている女性の中には、摂食障害やパニック障害など、精神疾患を併発していることも少なくありません。
 
 


アルコール依存症の治療の中で、少しずつ自分自身を取り戻していくことがカギとなります。
 
しかし、家事や子育て、また介護が必要な家族がいる場合は自分の治療に専念できる環境が整っていません。
 
そういったケースの場合、自分自身の負担を軽減できるような周囲の理解とサポートが必要不可欠です。
 
 
 
 

  女性は断酒しやすい

 
 
女性は、精神的な感情の起伏が大きく、断酒に至るまでにかなりの時間を要します。
 
しかし、男性よりも真面目な方が多く、アドバイスを真剣に聞いて、実行できるので飲んでいない方が楽で幸福だと早く理解できます。
 
女性のアルコール依存症の進行は早く一刻も早くアドバイスを受けた方が賢明です。
 
一人では不安になって、やめられませんが、女性はアドバイスを受けるとすぐに回復できる傾向にあります。