2020/1/22

お酒に強いタイプの方がアルコール依存症に陥りやすい

　アルコール依存症なりやすい人

　世間一般では、アルコール依存症に関して様々な誤解があります。例えば「アルコール依存症になるのは意志の弱い性格の持ち主である」といった考え方もその一つです。

しかし、これは医学的に見ても完全な誤解といわざるを得ません。理由は以下の通りです。

アルコール依存症になるとアルコールの摂取量をコントロールできなくなります。

これは、意志が弱い・強いの問題ではなく、アルコール依存症という病気の一症状によるものです。

アルコールが切れると、いわゆる禁断症状が現れます。この禁断症状が耐えがたいために、そこから逃れようとしてお酒に手を出してしまう訳です。

問題はこのような状況に陥る前に、アルコールの摂取量を適度に控えることができるかどうかにあります。

ただし、「アルコール依存症になりやすい体質の持ち主」というのは存在します。アルコールの分解能力やアルコールへの感受性（酔い方）にはかなり個人差がありますが、

例えば、比較的気持ち良く酔えるタイプの方や二日酔いを滅多にしないようなお酒に強いタイプの方がアルコール依存症に陥りやすい傾向にあります。

気持ち良く酔えるからといって飲み過ぎたり、お酒に強いからといって制限なしで飲んだりしていると、気づいたらアルコール依存症を発症していた…ということになりがちです。そうなってから、お酒をやめたいと思っても後の祭りです。

くれぐれも1回の飲酒量をほどほどに控えること、そして飲酒の機会は必要最低限にすることが大切です。

以上の点に十分注意していれば、アルコール依存症になりやすい体質の方でも、その予防効果が期待できるでしょう。飲酒を習慣化しないということが重要です。