2020/3/5

飲酒の時間を他に活かす

 
 

 断酒することやお酒が飲めないこと

 
 
 
 
 お酒をやめたいと思ってもやめられないアルコール依存症になった人は、一般の人のように飲酒を楽しむことはできません。 
 
節制しながら飲むことができない病気で、飲酒すればまた依存症に逆戻りしてしまうので断酒しかないと思ってください。
 
 
飲酒による快感と離脱症状のひどさは意志の強さや精神的な問題ではなく、病理学的な問題なのです。

 
 断酒することやお酒が飲めないことを卑下することはありません。日本人でお酒が飲まない人は男性で16.7%、女性で27.1%に達します。お酒を飲めなくてもちゃんと周りとコミュニケーションを取れるし、ちゃんと仕事もできるのです。
 
かえって飲酒の時間を他に活かすことができると考え、新しく生まれ変わった気分で楽しむことが重要です。

 
 
 家族は否応がなしに患者さんに巻き込まれてしまいます。家族の方々も依存症がどんなものか理解するとともに、本人をしっかり見守ってあげる必要があります。
 
なお退院後は定期的に機会を作って断酒について話し合い、その意志を確認し共有しておく必要があります。
 
 本人の前で飲酒はもちろんできませんので、一緒に断酒する覚悟が必要です。
 
 

 本人から「当分禁酒だな」、「治るまで断酒するぞ」のような言葉があれば要注意、断酒以外に方法はないことを理解していません。「そうではない」と伝えても信じてもらえないこともありますので、自助団体の方や医師に相談してもう一度説明してもらうことが必要です。
 
 
 
 3か月、1年の断酒ができたら、自分も含めてお祝いしたいくらいです。1年経てば本人も家族も「飲みたい」と言う意識はなくなっているはずです。