2020/4/20

アルコール依存症と遺伝的体質の関係

 お酒が飲める体質と飲めない体質

 
 
 
 
 
 アルコール依存症と遺伝的体質の関係があることは確かです。
 
 
 
 しかし、その遺伝的要素が、どこまで本人の発症率に影響を及ぼすかは未だにはっきりと解明はされていません。
 
 
 
 ですから一概に遺伝のせいだと判断することはできませんが、ある程度、この障害に遺伝的負因があることは今まで多くの研究で結果が得られています。
 
 

 代表的なものでいうと、お酒が飲める体質と飲めない体質があることです。これは体の中でアルコールを分解する酵素がどれだけあるかによって変わってきます。
 
 
 そして、それは遺伝的なものです。アルコールを分解する酵素が著しく少なければ、お酒を飲むことはできません。
 
 
 お酒を飲むことができないということは、そもそもアルコール依存症になりにくい体質だと言えます。
 
 
 
 アルコール依存症は、普段の常飲が何らかの環境要因で許容量を超え依存していく状態です。
 
 
 ですから、遺伝的に常飲できない体質であれば発症率は低いのです。ならば、アルコールを分解する酵素が多い人が依存症になりやすいかというと、上記でも書いたように、環境による要因の方が強く影響してきます。
 
 
 普段美味しく飲める程度で止めれていたお酒が過度のストレスで酩酊するまで飲まないと気が済まなくなってくるなどです。
 
 
 この場合、遺伝的にお酒が強いか弱いかより、自分の飲める範囲で止めるか止められないか、「お酒をやめたい」と思った時に止められるかが重要です。
 
 
 アルコールに対してだけでなく、環境の左右されやすさにも遺伝の影響は関わってくるとはいいますが、そこだけにとらわれる必要はないです。まず依存症を自分の病気として見つめて治療することが大切です。