2020/12/6

アルコール依存症の離脱症状からどうやって乗り切るのか

 

アルコールの離脱症状

 
 
 
 アルコール依存症の離脱症状には様々なものがあります。今までアルコールによって保たれていた体の悪いバランスを元通りにするという事は決して容易なことではありません。体だけではなくて精神面でも様々な離脱症状が生じます。その点を書きたいと思います。
 

 

 1   早期離脱症状

 

  アルコールを辞めて数時間後にはもう出てしまう症状です。主な物には手足の震え、不眠、吐き気、嘔吐、血圧の上昇、不整脈、イライラ感、幻聴、幻覚等です。そしてこれは治まることがありません。さらに2日後くらいからはさらにひどい症状になります。
 
 
 

 2   後期離脱症状

  
 

 アルコールを辞めて2日後ぐらいから出始めます。先ほど書いた早期離脱症状よりもさらに症状が重くなり上記に現れた症状の悪化と共に、けいれん発作や見当識障害、これは自分が今どこにいるのかが一時的ですが解らなくなるという物です。よくお年寄りで「ぼけて自分の居場所がわからなくなる」と言う人がいますが、この状態と同じ状態になってしまうのです。もちろん早期離脱症状に挙げた症状も続きますし、ひどくなる場合も多いです。
 
 

 3   離脱症状を抑えるために再飲酒

  
 
 アルコール依存症の人はアルコールがないと精神的に落ち着きません。アルコールが精神安定剤なので症状を抑えるためにまたアルコールを飲んでしまいます。すると一時的にこの症状は治まります。アルコールという精神安定剤が効いているためです。でもこれでは一時的に精神的には落ち着いた状態になれてもからだのじょうたいはますます悪化するばかりです。
 
 

 4   離脱症状とどう向き合うか

 
 
 一番はやはり専門の診療機関に受診することです。でもアルコール依存症の人はそれを拒む人が多いです。アルコールを飲むことによって精神の安定が保たれているのにそれを断てと言われれば誰だって行きたくはないでしょう。でも周りが根気強く説得することです。そしてこの際に決して脅迫めいたことを言ってはいけません。「アルコールを飲まなくなればこうゆうメリットがあるから医者に一緒に行こう」と諭すことがまず大事です。そしてもちろん患者さん自身の努力も必要です。やはり治療中に一度でもアルコールを飲めば又アルコールに依存してしまうのは確実です。覚せい剤を辞めていた人が言っています。「もしも目の前に覚せい剤を出されたら確実にしてしまう」アルコール依存症の人も同様なのです。なのできちんと自己管理をすることも大事です。
 
 
  1. アルコールを置いてある店に一人では行かない。

  2. 飲み会は断る。

  3. アルコール以外のストレス解消法を見つける。

  4. お酒をやめるためのカウンセリングを受ける。

  5. 医師や地元の保健所に相談する。

  6. 断酒会やアルクホーリクアノニマス(AA)に相談する。
 
 
 

 6   まとめ

 
 
 アルコール依存症は一人で治すのは絶対に不可能です。離脱症状に襲われて又アルコールに逃げる。この繰り返しです。アルコール依存症は完治するまでに2年はかかると言われています。
 
 周りの人のサポートも絶対に必要です。依存症の人にアルコールを勧めないのはもちろんの事、仕事等で無理をさせないようにする。お酒を飲まない楽しみを一緒に見つける。
 
 
 このようにして本人、周りのサポート、そして医療治療によって2年もたてばお酒が必要ではなくなります。そうなると体のダメージも防げるしその結果夜眠れるようになるとか精神的な安定も得られます。
 
 そうすれば自分も周りの人も皆幸せになれます。確かに離脱症状は相当苦しいです。でもそこを乗り越えたら素晴らしい明るい未来が待っています。一人で抱え込まずに周りの人そして医療サポートによって「アルコール依存症」を克服して下さい。