2021/4/25

アルコール依存症になってしまうメカニズム

 

 アルコール依存症になってしまうメカニズム

 
  
 
 「お酒は不健康で体に悪く、酔うと仕事に行けず、会社に迷惑をかけてしまう。お酒をやめたいと思っているがどうしてもやめられず飲んでしまうんです。何度か断酒に挑戦はしたものの夜になれば飲んでしまうやはり自覚しているように気持ちの問題ですね。」というお話をよく聞きます。
 
 
 この方のように、お酒が好きで飲んでいるうちに、深酒して夜安眠できずに、それをごまかすためにまた夜飲んでしまうという悪循環に陥り、お酒がないと夜も眠れず、お酒に頼ってしまい、精神的に嫌になったことや、日々の生活の疲れや、生きて行くための不安などが重なり、最後はやめられなくなってしまいます。
 
 
 
 
     肉体的依存
 
 
 ① お酒を飲むと一瞬にして快楽物質であるドーパミンが過剰に分泌されてしまう。本来お酒というものは少しずつ酔うものですが、アルコール依存症にまで到達してしまうと常に飲みたい状態になり、少しでも飲めば一気にドーパミンが過剰に放出されてしまい強い刺激を感じるようになる。
 
 
 ② 時間の経過とともに体内からアルコールが分解されてしまうと、お酒が急に欲しくなり、やめたくてもやめられない状態なります。
 
 
 
 ③ ドーパミンによる快感得ようとして、アルコールに対する飲酒欲求が強くなり、「自分は意志が弱いからやめられない」と勘違いしてしてしまいます。
 
 
 
      心理的依存
 
 
 
 
 お酒を飲むと元気になれると勘違いしてして、毎日晩酌をするようになり、朝から呑んでしまうようにお酒が切れ目なく飲み続けると連続飲酒になり、お酒を飲まないと生活が成り立たないことになり、心理的にも依存してしまいます。お酒をある程度まで断つことができても、飲んでしまうことがあり、入院してもすぐに飲むことがよくあります。この心理的依存こそが断酒を難しくしているのです。
 
 
 お酒がやめられない理由は、エタノールという薬物にあります。これはタバコに含まれるニコチンと同じ働きをします。アルコールはどんな薬物にも負けないほどの最強の薬物であり、依存性があります。
 
 
 入院してもやめられない理由は、アルコールは薬物だからです。入院しているうちに飲みたい欲求が強くなり、退院した瞬間に飲んでしまうのです。薬物というものは、我慢するほど飲みたくなってしまいます。断酒はいつでも飲める状態で、断酒しなければなりません。
 
 
 入院しても断酒できる人は10%ぐらいです。どんなに毒だと言っても、どんなに綺麗ごとを言ってもアルコールの欲求には勝つことはできないでしょう。
 
 
 死に至る抗酒剤を飲んだら薬をやめてしまいます。レグテクト。飲酒欲求を抑える薬は飲酒量が減るだけで多量ならあまり意味がありません。薬に耐性が付いてしまいます。
 
 
 
 真面目過ぎるやさしい性格のあなただからこそお酒がやめられなくなってしまったのです。アルコール依存症になってしまうと分かっていながらたくさん飲んだのですか?悪いのはアルコールであってあなたではありません。
 
 
 過去はどうでもいい。未来こそが大事なのです。これから幸福なればいいのです。残念ながらそのままではもっと不幸になってしまいます。お酒を飲んでいないことがどれだけ幸福なのかわかります。
 
 
 

 お酒をやめるにはどうすればいいのか

 
 
 
 
 カルト宗教のようにアルコールに頼ってしまうのです。人の意志は弱く、あなたが悪いのではありません。
 
お酒を呑んでいるときの楽しさは、覚せい剤を打って気持ち良かったと言っているのと全く同じです。それは気持ちいいでしょう。しかし覚せい剤を打ちますか?どちらも致死量があり有毒です。
 
 
 お酒を飲む必要は全くありません。呑んでいなければ運動するだけで気持ちいいし、テレビを見るだけで楽しいし、人と話すだけでも気分が良くなります。自分でも何でもできると思ってしまうと相談もできずに重篤な状態になりやすいです。警察官やパイロット良い例でしょう。
 
 
 アルコールに勝とうとしてしまい苦しくなって負けてしまうのです。アルコールには私も勝てません。アルコールに勝つことはできませんが、呑まないでいることはできます。ある程度まで断酒できればその状態になります。
 
 
 考え方で時間が経つほど楽になります。一生断酒しようとするから1日しか持たないのです。一旦やめて見るだけです。カウンセリングを受けて3ヶ月断酒してそれでも飲みたければ飲めばいいのです。しかしその頃には飲酒欲求はほとんどありません。飲酒欲求はあっても、飲んでいないことが楽だし、飲んでいない方が幸福なのです。
 
  
 やめて見て良かったら断酒を続ければいいし、呑んでいた方がいいと思えば呑めばいいのです。1週間だけ断酒してみましょう。
 
 
 
 断酒に失敗しても気にする必要はありません。一滴も呑んではいけないのは、一生我慢の断酒だから呑んではいけないのです。我慢して苦しくて呑んだら覚醒剤と同じでやめられなくなってしまいます。
 
 
 
 「 20年飲んで来たもう断酒は無理だ 」と思っていませんか?もちろんあなたが悪いのではありません。自らお酒をたくさん飲んで来て、やめられなくなったと勘違いして、いるからやめられないのです。
 
 
 
 お酒が薬物であり、有毒だと認識して3ヶ月断酒できれば断酒の継続は簡単なのです。断酒は幸福だと認識して継続できるのです。
 
 
 「今は、飲んでいた時間を違う趣味の時間に当てられて、快適でストレスは減ったのを感じていて、良い環境にあるんだと、メールを打っていて思います」
 
 
 
  このように断酒して行けば気持ちが変化していき、毎日飲酒欲求に勝ち続け、最後は飲酒欲求さえ感じなくなって行き、お酒を見ても飲みたいと思いません。有毒だと認識できて、飲酒欲求が完全になくなるまで断酒を継続していく意識が必要です。2年くらい経つと本当に断酒して良かったと分かります。