アルコール関連のブラックアウトについて

　アルコール関連のブラックアウトは、血中アルコール濃度が約0.15以上（法定運転制限の3倍）の場合に発生します。ブラックアウトのきっかけは、急激に血中アルコール濃度が上昇したときにトリガーとなる可能性が高くなります。

　飲酒によるブラックアウトは、すぐに意識を失ったりはしません。話したり歩いたりすることはできますが、その後、酔っている間に何をしたかを思い出せません。言い換えれば、アルコールは脳が長期記憶を形成するのを一時的に止めてしまいます。

　ほとんどのブラックアウトは、記憶があるときとないときのむらがある傾向があり、飲酒中に起こったことを覚えているが、他のことは覚えていない可能性があります。より深刻なブラックアウトは、誰かが何が起こったのかを思い出させようとしても、お酒を飲んだときから何も思い出せなくなります。

　若い人たちの脳は25歳になるまでまだ発達しているので、アルコールが脳に与えるダメージは非常に深刻です。ブラックアウトにつながる飲酒量で定期的に飲むと、永続的な脳の損傷を引き起こす可能性があります。

　短期的には、血中アルコール濃度に限界に達し、怪我や死亡につながる可能性のある行動などの危険な活動を行う可能性が高くなります。

　ブラックアウトは仕事、学校、社会生活に問題があることにも関連しています。長期的には、アルコール依存症の若年成人は、 2年後にアルコール関連の傷害を経験する可能性が1.6〜2.6倍、5年後にアルコール依存症の症状を経験する可能性が約1.5倍になります。

　ブラックアウトになりやすい人は、体重が少なく、飲酒が速く、飲酒前に食事をしないことなどが挙げられます。また、女性は男性と同じ量を飲むとブラックアウトをする可能性が約1.8倍高くなります。これは、女性は平均して男性よりも体が小さく、消費されたアルコールを希釈するために体内の水分が少ないため、男性よりも早くアルコールを血液に吸収するためです。

　　お酒を飲むときに、次のヒントを参考にすればブラックアウトを防ぐのに役立ちます。

1. お酒を飲む前や飲みながら必ず何か食べる。
   
   
2. 一気にたくさん飲んだりせずに、別の飲み物を飲むようにする。
   
   
3. 時間を空けて飲み、さらにゆっくり飲む。

　あなたの年齢に関係なく、アルコールとの関係を再考するのに遅すぎることは決してありません。ブラックアウトが起きたときは、飲酒量に関係なく、アルコールが害を及ぼす懸念があるレベルに達していることを示す指標と言えるでしょう。