2022/8/30

断酒後のアフターケアについて

 
 

  断酒後のアフターケアについて  

 
 
 
 

     解毒治療:2~4週間程度


 アルコール依存症の治療は外来治療と入院治療がありますが、基本的に入院して実施されます。精神的、身体的に症状が出ている場合は最初に対症療法を行いますが、これはアルコール依存症により発生した症状を抑えるためのものであり根本的に治すものではありません。対処療法として体内に残っているアルコールを解毒し、アルコールによって発生した症状を治すわけですが、この治療の期間は2~4週間程度が目安です。

 



     リハビリ治療:2ヶ月程度


 リハビリ治療は患者さんにアルコール依存によって発生する問題についてしっかりと理解してもらい、断酒を決意させることを目的としています。アルコール依存症は患者さん自身がアルコール依存症ということ自体を認めたがらないことから別名「否認の病」とも呼ばれていて、自分が依存症であることを自覚させるためには時間が必要です。自覚することができれば最初のステップとして精神療法を行い、アルコール依存症や断酒に対する正しい知識を説明し、断酒会や自助グループへの参加を促します。この段階になるとようやく補助的治療として抗酒薬(ジスルフィラム・シアナミド)による薬物療法がスタートします。それに加えて個人カウンセリング、集団精神治療がメインになりますが、リハビリ期間としてはおよそ2ヶ月ほどが目安です。

 

 



     退院後のアフターケア:半年から1年


 アルコール依存症の治療はここからが本番といっても過言ではなく、退院した後も続きます。このステップではクリニックへの通院、抗酒薬の服用、自助グループへの参加が行われ、どれもおろそかにすることはできません。特に抗酒薬の服用は断酒を続けるためには絶対に必要で、退院後6~12カ月間継続して行われます。自助グループとはアルコール依存症の患者さんが集まっている市民団体であり、仲間と一緒に断酒の継続を目指します。一人で断酒するのは難しいですが、仲間と一緒に実行することで続きやすくなります。

 


     まとめ

 

 このアフターケアは人によって長さはそれぞれです。目安として3年間断酒期間を継続することができれば完全に飲酒欲求がなくなり、お酒を飲まない生活が定着してきます。