2019/4/8

断酒、禁酒に失敗したとき

 
 
 
アルコール依存症に対しては、世間の目は冷たいです。コントロールが効かなくなり、やめたくてもそう簡単にはやめられなくなるのですが、そうなるのは本人の心が弱いからというふうに思われてしまいます。アルコール依存症は、誰でもなってしまう病気です。
 
 
何年も飲み続けて、自分でも気づかないうちにアルコール依存症になってしまうのです。生きて行けば誰でも苦しいときはあります。酒を飲めば忘れさせてくれると勘違いしてしまうのです。アルコールは、ストレス解消、不安解消どころか飲まなくなると、アルコールを全く飲まなかった時期よりも落ち着きがなくなり、いらいらしてさらに飲んでしまうのです。
 
 
飲まないことが苦しくなり、やがてアルコール依存症になってしまうのです。実際に断酒や禁酒はそう簡単にはいきません。重度のアルコール依存症になってしまうと断酒をしようとしたら、数時間もすれば離脱症状で幻聴や幻覚、体の震え、苛立ちなどが出てきて耐えられないのです。もちろんどんなに禁断症状が強くても2週間ほど経てば意識障害もなくなり、普段の生活を取り戻せます。
 
 
そこまで我慢できないのがアルコール依存症なのです。入院中は監視の目もあり拘束されて飲むことはできませんが、退院した瞬間飲んでしまうこともあります。アルコール依存症の患者は、その苦しみに耐えることが出来ずに、再び飲み始めてしまいます。
 

当然アルコール依存症の状態では、仕事や家事も難しくなり、生活をしていくことが難しくなります。そのストレスが蓄積されれば、お酒を飲むという悪循環に陥るのです。では、アルコール依存症は治療することは出来ないのかというと、本人だけの力では難しいですが専門の医療機関などに通って医師の指導のもとで禁酒をすることで乗り越えることが出来ます。
 
 
離脱症状を乗り越えとしても、そこから一滴でも飲めばまた元の木阿弥と思っている人が多くいますが全くの勘違いです。ある程度アルコールを抜くことができれば次の日になっても強い欲求は起こらず、断酒や禁酒の継続は可能です。
 
自力で断酒した人の場合には、お酒を飲めないという不満を自分の中に抱えることになりますから、最終的にまた飲んでしまう傾向にあります。やはりこれから一滴も飲まない禁酒をしたいならば、他の人の力を借りることは大切なのです。
 
この断酒プロジェクトでは、目標があるのでたとえ失敗しても必ず継続できます。失敗するたびに断酒の決意が固くなり、飲まない方が幸福だと理解できるのです。ある程度断酒できれば継続は簡単です。